2025.04.16 万博会場
一座きょうと オープニングイベント 茶道・華道(4/13~4/26)

2025年4月13日、いよいよ大阪・関西万博が幕を開けました!あいにくの雨でしたが、初日の万博来場者数は14万人を超え、会場全体が熱気に包まれました。京都ゾーンでは開幕を記念し、ご来場の皆様を茶道と華道でおもてなしするオープニングイベントを開催(4月26日まで)。茶道の4つの流派による茶席と華道2団体による生け花の展示で、京都の伝統文化をたっぷりと味わえる空間になっています。ここでは、そんな京都ゾーンの初日の様子をレポートしていきます!
訪れるたびに異なる魅力に出会える
関西パビリオン「京都ゾーン」
京都ゾーンでは万博期間中、「文化」「食」「産業」「環境」「いのち」「観光」の6つの分野で、一定期間ごとに展示を入れ替えながら、京都ならではの魅力を発信します。最初の展示テーマは「文化」(4/13~5/25)。伝統文化からサブカルチャーまで、あらゆる京都の文化をご紹介していきます!
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"ほんまもん"の京都を味わう、お茶席体験
京都ゾーンのオープニングを華やかに彩るのは、表千家不審菴(おもてせんけふしんあん)・表千家同門会京都支部による抹茶の振る舞いと、華道家元 池坊(いけのぼう)による生け花の展示です。
京都ゾーンに入るとすぐに目に飛び込んでくるのは、赤い床几と野点傘。シックな京瓦の室内とのコントラストが美しく、まさに"京都らしさ"を感じる風景が広がります。
お茶席体験は1席あたり20名程度で、およそ1時間ごとに開催(※)。お茶券は30分前から配布が開始されましたが、瞬く間に満席に。
※開催時間は下部の<お茶席体験への申し込み方法>をご確認ください。
茶道と聞くと畳の部屋で正座をしているイメージがありますが、今回は海外からのお客様にも楽しんでいただけるように、椅子とテーブルを用いた「立礼(りゅうれい)」と呼ばれるスタイルでおもてなしをします。
お茶席体験が始まると、背筋がすっと伸びるような、心地よい緊張感が会場を包み込みます。華やかな着物を纏ったお運びさんから手渡されたのは、桜の焼き印が押された桜色のお饅頭。室町時代に京都で創業した和菓子の老舗・とらやのお菓子「らんまん」です。まさに春爛漫という言葉がふさわしい愛らしさに、お菓子を受け取った参加者からは笑みがこぼれます。
お茶を点てている間には、亭主による茶道具の解説も。通常、お茶席では季節に合わせて道具を揃えますが、今回は万博にちなんで、トルコやミャンマー、中国など、世界各国でつくられたものにしたとのこと。本来の用途は異なりますが、茶道具に見立てて使用しています。異文化で生まれたもの同士が見事に調和する、日本文化ならではの「見立て」の妙が光ります。
茶器:インド 大理石細工八角、茶杓:ハワイコアの木(銘 虹の橋)
花入:中国四川省 ヤク牛
水指:イタリー
蓋置:トルコ 色絵
建水:ミャンマー キンマ細工
お茶は京都・柳桜園茶舗の抹茶「清友の白」。参加した方々は一服を味わった後、手に持ったお茶碗をじっくり眺めて楽しみました。
初日の一回目のお茶席には、西脇京都府知事をはじめ、池坊次期家元 池坊専好氏、長男の池坊専宗氏も参加。来場者の方々と穏やかな時間を共にしました。
参加者の方からも「この空間でお茶をいただけるのは特別な体験で、とても楽しかった」と好評いただいたお茶席。今回亭主を務めた表千家は、安土桃山時代の「天下一の茶人」千利休を始祖とし、その茶の湯を今日に継承する流派の一つです。"ほんまもん"の京都を体験できる、贅沢なひととき。賑やかな関西パビリオンの中で、ここだけは時間がゆったりと流れているかのようでした。
また、京都ゾーン内には、1970年の大阪万博で使用された茶箱も展示。50年の時を超えて再び万博の舞台に登場しました。屋外でもお茶が点てられるようにと作られたミニサイズの野点用茶道具はなんとも愛らしく、多くの方が足を止めて見入っていました。
アートとしての新しい生け花のかたち
京都ゾーンの壁面に並ぶのは、華道家元 池坊(いけのぼう)関西支部による生け花です。
いけばなは、今から約1400年前、587年創建の京都・紫雲山頂法寺(六角堂)で、僧侶が仏前に花を献じていたことから始まったといわれています。室町時代になると、池坊専応がいけばな(華道)の理念を確立しました。そんな「いけばなの根源」である華道家元 池坊。
いけばなと聞くと、床の間や座敷などに飾られている古式ゆかしい姿を想像しますが、今回の展示では、従来の伝統的な形にとらわれない、自由な発想で活けられた作品の数々が並んでいます。
中には、万博公式キャラクター「ミャクミャク」が取り入れられたユニークな作品も。来場者からは「こんなに自由な生け花もあるんだ!」と驚きの声が上がり、一つひとつの作品を写真に収めながら楽しむ様子が見られました。
いけばなの根源池坊展「TRANSITION」
多重の「うつろい」、「変遷」が折り重なる「時空間に展開するいけばな展」
ギャラリーEASTでは、いけばなの根源池坊展を開催。次期家元 池坊専好の大作をはじめ、世界へ華道文化を紹介することを目的とした「いけばなの変遷」をたどる作品と、万博テーマでもある「いのち」を表現するデジタルといけばなとのコラボ大作インスタレーション。今までにない洗練された新しい"いけばな展"をご覧いただけます。こちらもお見逃しなく!
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会場
ギャラリーEAST
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会期
4月13日~20日(前期:4月13日~16日、後期:4月17日~20日)
10:00~20:00(16日は18:00、20日は17:00で閉場)
京都ゾーンのテーマである、客と亭主が心通わせる「一座建立」の精神を体感できるオープニングイベント。京都に今なお息づく伝統文化の真髄に触れられる、茶道と華道の贅沢なコラボレーションをお楽しみいただけます。ぜひこの機会に、京都の魅力を五感で体感しに来てくださいね。皆様のご来場をお待ちしています!
お茶席体験への申込方法
※今後運営が変更になる可能性があります。最新の情報はSNSで発信予定です。
お茶席体験は、各回開始の約30分前からお茶席券を関西パビリオン京都ゾーン内にて配布します。関西パビリオンを来場予約のうえ、京都ゾーンにお越しください。
★お茶席体験の人数
各回約20名
(お茶席券は以下各回開始の約30分前から配布)
(配布時間にお越しいただいても定員に達した場合ご案内できない可能性がございます点ご了承下さい。)
- 4/13(日)~4/16(水)
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表千家不審菴・表千家同門会京都支部
10時30分、11時30分、12時30分、13時30分、14時30分、15時30分、16時30分、
17時30分、18時30分 - 4/17(木)~4/19(土)
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武者小路千家官休庵
10時30分、13時30分、14時30分、15時30分、16時30分 - 4/20(日)~4/22(火)
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藪内家燕庵
10時30分、11時30分、12時30分、13時30分、14時30分、15時30分、16時30分 - 4/23(水)~4/26(土)
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裏千家今日庵
10時30分、11時30分、12時30分、13時30分、14時30分、15時30分、16時30分、17時30分