2024.12.18 京都イロドリEXPO こといろ
【イベントレポート】 大阪・関西万博開催半年前機運醸成イベント「京都イロドリEXPO こといろ」を開催しました!<詳細編>
2025年の大阪・関西万博に向けて、機運醸成とともに未来の京都に思いを寄せるプレ万博が京都駅前広場で開催されました!ステージ上のイベントや会場内のブースでは京都府内の多様な魅力が紹介され、当日は約3,500人が訪れ、京都にお住まいの方はもちろん、国内外の観光客の方々にもご来場いただきました。また、当日は日本ボーイスカウト京都連盟、(一社)ガールスカウト京都府連盟の協力のもと、キッズスタッフの皆さんが運営をお手伝い。ステージ進行や会場内の誘導、子ども記者として山極座長への質問コーナーに参加するなど大活躍!当日の様子を詳しくレポートしていきます!(概要編はこちら)
会場MAP 京都駅前広場 / ホテルグランヴィア京都
京都駅前広場 ステージ
京都市立芸術大学 オープニング演奏
オープニングを飾ったのは市立芸術大学による金管五重奏。「メキシコの風~サウンド・オブ・ミュージックメドレー~ジャイヴ・フォー・ファイヴ」の3曲が演奏されました。イベントのオープニングにふさわしい金管楽器の華やかな音色が会場一帯に響き渡り、道行く海外の観光客も思わず足を止めてカメラで撮影。サウンド・オブ・ミュージックメドレーではドレミの歌など聞き馴染みのある曲も演奏され、会場に集まった人々は身体でリズムを取りながら演奏を楽しみました。
演奏後に登場したのは司会の女性と2人のキッズスタッフの女の子たち。緊張した様子を見せながらも、しっかりとプログラムを紹介してくれました。
大阪・関西万博きょうと推進委員会 主催者イベント「万博のこと、京都のこと。」
続いては、大阪・関西万博きょうと推進委員会による、万博会場での京都の取組についての発表です。ステージ上には委員会座長である山極壽一氏の他、共同代表の西脇隆俊京都府知事、岡田憲和京都市副市長、田中誠二京都商工会議所副会頭、村田純一(公財)京都文化交流コンベンションビューロー理事長が登壇し、開会の挨拶を行いました。
西脇京都府知事は、「いよいよ明日の10月13日で開催まで半年となる。万博に向けて国内外に京都の多様な魅力を発信し、未来の京都の発展につながるような取り組みをぜひ実施したいと思っている。本日のイベントを通じて万博に向けた京都の取組を体感できるようなプログラムを用意しているので、 ぜひお楽しみいただきたい。」と、京都が一体となって万博を盛り上げていくことを力強く宣言。
岡田京都市副市長は、「1970年に開催された大阪万博は、小学生の時に5回ほど行ったが、未来を、世界を感じる素晴らしいもので、今でも記憶に残っている。」と、自身の思い出にも触れながら、「本日のイベントで万博のことを知り、期待し、ぜひ話題にしていただきたい。」と結びました。
挨拶のあとには、関西パビリオンの京都ブースのデザインと展示概要が発表されました。京都ブースのテーマは「一座建立」。来場者と出展者が交流し一体感を生み出すような実演や体験イベントを実施予定とのことです。
京都ブースのイメージ図がモニターに写し出されると会場の注目度は一段と高まり、京瓦を使った洗練されたデザインを多くの人が写真に収めました。
最後に、山極座長による挨拶では、オリンピックと万博の違いに触れ、万博は「融和と調和を目指す文化の祭典」であるとした上で、これからは環境と文化を調和し、いのちを中心に据えることが必要だと話されました。「私たちの京都は数千年、それをつくりあげてきたはず。」と山極座長。挨拶が終わると会場からは大きな拍手が湧きあがり、会場全体が万博への期待に胸を膨らませました。
子ども記者 万博いろいろ山極座長に質問!
京都府内で活動するボーイスカウト・ガールスカウトのキッズスタッフ4名が、子ども記者として山極座長に万博のことを質問しました。「どうして万博を大阪で行うの?」「京都のおすすめのお土産は?」といった質問に、山極座長は、一つ一つ丁寧に答えていきました。
中には、「伝統とテクノロジーは仲良くできますか?」という鋭い質問も。これに対して、山極座長は「着物などの工芸もテクノロジー。重要なのは賢く使い、偽物を見破る目利きをもつこと。京都はそうして、長い歴史の中で京都らしいものをつくってきた。」と話し、「そうじゃないですか?」と会場に問いかけると、会場は拍手で応えました。
また、「山極座長が研究しているゴリラは、万博につながりますか?」との質問に対しては、「ゴリラは食べるときも休むときも、自然が必要。人間はコンクリートなどでどんどん自然から離れていってしまっている。特に食べ物でいえば、私達は加工食品を食べていて、どのように作られたかがわからないこともあるけれど、ゴリラは五感を使って美味しそうなものを見つける。」と話しました。
最後に山極座長からは、「なかなか難しい質問もあって、みんなよく考えている。これからの未来を背負っていくのは君たちだから、大人をあてにせず、自分たちで考え続けてほしい。」と、子ども記者や会場で耳を傾ける子どもたちに向かってメッセージを伝えました。
子ども記者として山極座長に質問した松森くんは、「緊張したし、山際座長の話は難しかったけれど、ゴリラの話は確かになと思った。」と、満足そうに話しました。
JR西日本鉄道ファンミーティング! 市川紗椰さん、ダーリンハニー吉川正洋さん、南田裕介さんがやってくる!
続いては、鉄道好きを公言する、モデルの市川紗椰さん、ダーリンハニーの吉川正洋さん、ホリプロマネージャーの南田裕介さんの3名によるトークイベント。鉄道ファンから登壇者それぞれのファンまで多くの人々が集まり、ブースエリアの通路にまで人があふれるほど。
3名が登場するとファンからの歓声が沸き起こり、ファンうちわを振る人も。「停止位置よしっ!」と登場からさっそく鉄道ネタが盛り込まれ、トークも好きな駅や楽しみ方談義で白熱。会場では深くうなずく人がいたり、拍手で答えたりと、共感の輪が広がりました。
新快速のようにあっという間に過ぎた30分、退場時には最前列に座っていた男の子が吉川さんにお手紙を渡すというほほえましい場面も。吉川さんはお礼に、駅の並びが5・7・5になるという「詠み鉄」の楽しみ方から京都にまつわる一句をプレゼントしました。
鉄道の意外な楽しみ方からマニアックな鉄道トークまで、熱弁をふるう登壇者と共感する客席とが一体になって、この日一番の盛り上がりをみせました。
公式キャラクターグリーティング ミャクミャクや京都ゆかりのキャラクター達と触れ合おう
京都ゆかりのキャラクターが大集合!京都府の「まゆまろ」、宇治市の「ちはや姫」、京都駅ビルの「テット&スカーラ」、下京区の「シモンちゃん」がステージ上にあがり、一組ずつ写真撮影を行いました。途中からは万博公式キャラクターの「ミャクミャク」も登場。子どもから大人まで、たくさんの人々がキャラクターたちとの撮影を楽しみました。
京都駅前広場 ブースエリア
遠隔ロボットの操作体験(けいはんな万博2025運営協議会)
けいはんな学研都市による遠隔ロボットの操作体験ブース。パソコンでロボットを操作して、科学技術の進歩を体験しました。操作は簡単で、上下左右のシンプルなコマンドを押すだけ。小さな子どもたちも夢中で楽しみ、中には「持って帰りたい」と言う子まで。万博期間中には「けいはんな万博」としてロボット運動会も開催予定で、「生活を競技する」という標語のもと、実生活での活用を想像できる競技が予定されています。
空飛ぶクルマVR映像
ヘリコプターの操縦席に座って大阪上空を飛行する様子をVRで体験。通勤やデートなど、5つのテーマで大阪上空飛行を楽しみます。360度の鮮明な映像はまるで本当に空飛ぶクルマに乗っているような感覚。整理券が発券されるほどの盛況ぶりで、最先端の技術を体験しました。
万博会場で使用される軟骨伝導製品の展示(株式会社CCHサウンド)
日本で生まれた世界初の技術を紹介。補聴器のような骨伝導とはちがい、軟骨を通して音を伝える新技術で、音が聞こえにくくなってきた高齢者のための集音器の他、音楽を聴くイヤホンとしての活用も今後期待されています。一般的なイヤホンのように耳に入れず軟骨にあてるだけなので、衛生的で周りの音が聞こえなくなることもありません。万博会場では音声ガイドやスタッフのイヤホンとして導入される予定です。
NEO金継ぎ体験(丹波漆プロジェクト)
近年、人気を呼んでいる金継ぎ。その魅力は国内にとどまらず、海外でも「Kintsugi」として注目されています。福知山市夜久野町で生産された丹波漆を使用し、国内外の人々が金継ぎを楽しみました。体験した女性は、「京都市内に住んでいるが、夜久野町が漆が盛んだということを知らなかった。京都のことを知るいい機会となった。」と笑顔で話しました。
ごみゼロ大作戦&超SDGsな取り組み(京都超SDGsコンソーシアム)
京都超SDGsコンソーシアムによる取組の紹介ブース。清掃活動の状況を可視化することで活動団体が楽しく活動を継続できるようサポートする「ごみゼロアプリ」の紹介をはじめ、マイバッグの提供と北山杉を使ったマイ箸づくりの体験を実施。ゴミを減らす取り組みについて自分事として考える機会となりました。
京都蒸留所 季の美
京都発のクラフトジンが並ぶこちらのブース。大原や宇治の紫蘇、綾部の柚子など、京都府内の原料を中心に蒸留されています。万博期間中は、亀岡で見学ツアーの実施を企画中。京都の魅力が詰まったクラフトジンに、多くの関心が集まりました。
精華Cafe
「スイーツの街」として知られる精華町。和菓子から洋菓子まで、町内の様々なお店の自慢のスイーツが一堂に会しました。季節に合わせて、ハロウィンデザインのお菓子も登場。購入した方には精華町公式キャラクター「京町セイカ」のオリジナルグッズもプレゼントされ、訪れた方は買い物を楽しみました。
丹後王国ブルワリー
積み上げられた缶が目を引くこちらのブースでは、丹後のクラフトビールを販売。これまで瓶での製造を行っていましたが、丹後の魅力を世界にもPRするため、缶ビールを新たに開発されたのだそう。パッケージは丹後七姫伝説に由来した和モダンなデザインで、海外の方からも人気の様子でした。
茶源郷 わづか
お茶の産地として有名な和束。玉露、ほうじ茶など、様々なお茶を販売すると共に、気軽にお茶を楽しんでもらえるよう、和束茶をふんだんに使ったポテトチップスやペットボトル飲料も用意。万博期間中は京都ブースで和束茶の試飲を予定しているとのことです。
福寿園
京都のお茶は、まろやかで上品な味と言われます。今回は万博デザインのティーバッグをはじめとしたお茶製品の販売のほか、石臼で抹茶をひいてお茶をいただく体験も実施。体験した女性は、「予想以上に重くて大変でしたが、自分でひいた抹茶で点てたお茶は格別でした。」と笑顔を浮かべました。
京都ラウンドテーブル
ホテルグランヴィア京都では、科学や技術に加え、歴史、文化、芸術の聖地である京都に万博のキーパーソン6名が集まり、京都と万博の関わりやそれぞれの取り組みについて語り合うラウンドテーブル形式のセミナー「第5回 京都ラウンドテーブル」が開催されました。 登壇したのは、次の6名です。
- ◇山極 壽一 氏
- 大阪・関西万博きょうと推進委員会 座長 / 総合地球環境学研究所 所長 / 2025年日本国際博覧会シニアアドバイザー
- ◇佐野 真由子 氏
- 京都大学大学院教育学研究科 教授ー
- ◇藤本 壮介 氏
- 2025年日本国際博覧会 会場デザインプロデューサー
- ◇石川 勝 氏
- 2025年日本国際博覧会 会場運営プロデューサー
- ◇石黒 浩 氏
- 2025年日本国際博覧会 テーマ事業プロデューサー(担当テーマ:「いのちを拡げる」)
- ◇河森 正治 氏
- 2025年日本国際博覧会 テーマ事業プロデューサー(担当テーマ:「いのちを育む」)
セミナーは前半と後半の2部構成で行われ、前半は登壇者によるスピーチ、後半はラウンドテーブルが実施されました。
スピーチでは、学術的な視点や会場設計、事業運営など、多角的な観点から万博への想いが語られました。各登壇者の話の中から浮かび上がってきたのは、「繋がり」と「多様性」というキーワード。異なる歴史的背景や文化をもつ世界の人々が繋がりを感じ、互いの多様性を認め合い、今後の未来を共に作っていく。そうした万博の意義を来場者が体感できるよう、会場のデザインやコンテンツが着実に創り上げられていることが伝わってきました。
後半のラウンドテーブルでは、ボストン・コンサルティング グループ 日本共同代表の内田 有希昌 氏をモデレーターに迎え、前半のスピーチを深めながら、万博と京都のつながり、そして万博を通じて来場者が得られるものについて語り合いました。テクノロジーが今後も発展していく中で、自然と共生する文化が今も生活に息づく京都の重要性が強調され、万博を通して京都の持つ価値を再認識する場ともなりました。
最後に山極氏は、「現在、世界中の都市が一元化し、均一化しているが、その国の人たちが持つ価値観というのは変わらないと思う。今度の万博は、様々な国の人たちが誇りにしている文化の価値観が見えてくる。多様な自然と文化をもつ日本は、世界の人々のバリエーションをきちんと解釈できるかもしれない。その意識を持って万博に臨むと理解が進むと思うし、我々が日本で生きていく上でも大きなヒントを得られるのではないかと思う。」と締めくくりました。
日本で再び開催される万博の意義、そして京都がその一端を担う重要性を実感できた濃密な時間となりました。
大阪・関西万博ラッピング列車がやってくる!
観光客やビジネスマンなど多くの人々が行き交う京都駅。その6番のりばに、万博デザインの列車が登場。ふだんは大阪環状線およびJRゆめ咲線のみの走行ですが、この日のために特別にやってきました。
西脇知事をはじめ、開会式に登壇した共同代表一同で列車を内覧。外装はもちろん、内装もすべて万博仕様の車内に感嘆の声があがります。車内には万博に関する解説のパネルが設置され、会場図を見ながら意見を交わす様子も見られました。
このラッピング列車は一般公開もされ、訪れた人々は撮影したりパネルをじっくりと読んだりしながら、列車見学を楽しみました。