2025.03.31 京都府内のイベント・観光・体験
京都の自然と文化を満喫する絶景サイクリングコース

京都の魅力は、古都の風情が漂う街並みだけではありません。少し足を伸ばせば、のどかな田園風景や山々が広がり、茶畑の景観や日本海など、日本らしい自然と文化が溶け合う景色に出会えます。自転車で巡れば、心地よい風を感じながら、自分のペースで京都府内の隠れた名所を楽しめます。美しい自然、歴史ある神社仏閣、地元の食文化、そして温かな人々とのふれあいが、あなたの旅をより特別なものにしてくれるはず。京都府内のおすすめのサイクリングコースと見どころについて、Ride with KYOTO推進会議事務局の増田さんにお話を伺いました。
増田 一樹/合同会社海の京都e-Bikes 代表
大学卒業後、陸上自衛隊幹部として勤務。東日本大震災派遣や国連南スーダンPKO派遣などを経験したあと丹後半島に来て、「ここで人を楽しませる仕事がしたい」と強く感じて観光協会に転職、e-Bikeに魅入られてからは起業してe-Bikeのレンタル・ガイドツアーを行なっている。
目次
日本らしい自然と文化をまるごと楽しむ
―― 京都のサイクリングの魅力を教えてください。
京都は自然が豊かで長い歴史もあります。日本の自然の美しさ、そして日本文化の全てが京都には詰まっているんです。京都の南部から北部まで、それぞれ違った魅力がありますので、京都の各所を巡ることで、日本らしい自然と文化をまるごと楽しんでいただけます。
京都市内
―― 京都市内のおすすめはどこでしょうか?
京都市内であれば、西の嵐山・嵯峨エリア、北の上賀茂エリア、東の哲学の道周辺がおすすめです。川沿いの心地よい風を感じながら、京都らしい古都の景色や歴史ある神社仏閣を楽しむことができます。
渡月橋
嵯峨鳥居本伝統的建造物群保存地区
北部・丹後半島
―― 北部エリアの魅力を教えてください。
京都北部にある丹後半島は、サイクリングスポットの王道です。
綺麗な海があって、山があって、川がある、自然豊かなエリアです。ご飯も美味しいし、温泉もあります。日本三景の一つである天橋立や、昔から親しまれてきた巡礼の道、伊根の舟屋のような独特な景観も人気です。
伊根の舟屋
素晴らしい自然や名所は、日本各地にたくさんあります。でも、この丹後半島は、サイクリングにちょうどいい80kmくらいのエリアに、そうした日本らしい魅力のすべてがぎゅっと詰まっています。日本で自然を楽しみたいという人に最もおすすめしたいエリアです。
これまで京都府域でたくさんサイクリングツアーを開催してきましたが、丹後半島のツアーは特に好評です。
―― サイクリング初心者でも大丈夫ですか?
そうですね、初心者でも楽しめます。天橋立と伊根は片道20kmほどです。道が綺麗で人も多くないので、自転車で走りやすいです。道の起伏もちょうどいい塩梅なので、走っていて楽しいですよ。
もっと走りたいという人は、丹後半島を一周する80kmのコースがおすすめです。
南部・和束町
―― 京都の南部エリアのおすすめは?
和束町というお茶の産地があります。京都といえば宇治茶が有名ですが、その宇治茶の主産地です。広大な茶畑の景色を楽しみながらのサイクリングはとても気持ちがいいですね。
茶料理を提供しているお店があったり、茶摘み体験をやっているところがあったりして、自然と文化が見事に融合している場所といえます。今は海外でも抹茶が大ブームになっていますので、海外の方にもおすすめしたいエリアです。
中部・美山~綾部市
―― 中部のおすすめサイクリングスポットを教えてください。
美山にはぜひ行ってみてほしいです。かやぶき屋根の民家が並ぶ「かやぶきの里」は日本の原風景を楽しむことができます。
―― 美山への行き方は?
嵐山から亀岡を通って、桂川沿いに北上していくのがいいかなと思います。
亀岡は保津川下りで有名ですね。あとは武家屋敷があったり、刀づくり体験などの文化体験もあったりするので、日本文化を楽しめる場所です。
―― 美山の魅力は何でしょうか?
美山は、サイクリングをするには最高に気持ちのいいエリアです。サイクルロードレースが開催される場所ということもあって、道幅も広いです。ロードバイクでサイクリングを楽しみたい人にはぴったりの場所といえます。
美山を出発したら基本的に由良川沿いを下っていきます。時々ちょっとしたアップダウンもあるので、すごく楽しめると思います。
50kmほどの道のりを2,3時間走ると、綾部市に入ります。
―― 綾部市はどのような場所ですか?
綾部市では、農家民宿に泊まるのがおすすめです。
農家さんがやっているので、とにかく食事が美味しいです。農家さんが、自分たちの畑で採れた旬の野菜を調理して出してくれます。また、農業体験ができるのも魅力です。シーズンにもよりますが、稲刈りの手伝いなどができます。
京都から万博会場までサイクリング
―― 大阪の万博会場と京都をつなぐサイクリングルートはありますか?
はい、淀川リバーサイドサイクルラインがあります。桂川サイクリングロードとつながっていて、京都から大阪の万博会場まで片道55kmほどの道のりです。2時間半くらいで行けます。
―― このルートの魅力は何でしょうか?
初心者でも安全に快適に楽しめるというのが大きなポイントです。京都の桂川サイクリングロードも淀川リバーサイドサイクルラインも、ほとんどが保護された自転車専用道です。六甲山が見えるなど、大阪の風情も楽しめます。
―― 万博会場に駐輪場はありますか?
公式サイトが紹介している駐輪場は、夢洲自転車駐車場と咲洲自転車駐車スペースの2箇所あります。
夢洲自転車駐車場の利用料は500円で、前日までに予約が必要です。駐輪場からは万博会場までシャトルバスが運行しています。
咲洲自転車駐車スペースは、万博会場から一駅隣の場所にあります。こちらは予約不要で、無料で利用できます。会場からは少し離れますが、Osaka Metro 中央線の「コスモスクエア駅」から「夢洲駅」へ一駅で会場に行くことができるので、こちらを利用するのもよさそうです。
※詳細は大阪万博公式サイト(https://www.transport.expo2025.or.jp/route/bicycle/)をご確認ください。
―― 万博を楽しんだあと、京都に戻るルートは他にもありますか?
同じ道を戻るのが一番安全かつ楽ではありますが、それだともったいないですよね。例えば、万博会場を東に抜けて、奈良経由で京都に戻ってくるのも一つのルートかなと思います。
奈良から京都までは、京阪奈自転車道があります。京阪奈自転車道というのは、京都の嵐山から奈良を抜けて和歌山港まで続く、全長約180kmのサイクリングロードです。まだあまり知られていない、穴場ルートですね。ロングライドを楽しみたい方にもおすすめです。
奈良は大阪や京都とはまた違った風情がありますので、サイクリングで京都・大阪・奈良をぐるっとまわってそれぞれの良さを味わってみてはいかがでしょうか。
五感で体感する、京都のネイチャー&カルチャー
―― 京都全域にサイクリングスポットがあるのですね。
そうですね。他にも、日本の鬼の伝承を楽しめる場所など、まだまだ京都の魅力はたくさんあります。
日本の鬼の交流博物館 『平成の大鬼』
自転車の旅で京都を満喫するなら、4日間くらいがちょうどいいですね。南部から北部までを4日間かけてサイクリングしていくのが、人生を豊かにしてくれる京都のサイクリングルートだと思います。自転車で走りながら、ぜひ京都の自然と文化を肌で感じてください。
Ride with KYOTOでは「京都の鬼」をテーマにしたサイクリングイベントやツアーを開催しています。
2022年から毎年開催してる「鬼の京都×京都1周サイクルチャレンジ」は、観光しながらゆっくりとサイクリングをしたい方から、高難易度コースに挑戦してみたいという方まで、幅広く楽しんでいただけるようなコース設定となっています。こちらもぜひ京都を自転車で走る際の参考にしてみてください。
鬼の京都×京都1周サイクルチャレンジ ※2024年開催
公式Webサイト:https://ride-with-kyoto.jp/cycletourism/oni-no-kyoto/oni-challenge/