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イベントレポート

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2025.05.22 万博会場

EXPO KYOTO MEETINGが開催されました!~前篇~

2025年4月23日(水)、大阪・関西万博会場内のEXPOホール「シャインハット」で、「EXPO KYOTO MEETING ~和のこころと地球の未来~」が開催されました!京都の伝統文化のステージや、ユース世代による元気いっぱいのパフォーマンス、さらにはAIや環境、文化について語り合うトークセッションまで、一日を通して京都の「今」を感じ「未来」を考える見どころ満載のイベントとなりました。会場は終始笑顔と拍手に包まれ、まさに「万博らしい」熱気あふれた空間に。本レポートでは、そんな一日を彩ったステージや取り組みの数々をお届けします!

第1部「おこしやすKYOTO」

宮川町芸舞妓による舞踊

宮川町芸舞妓による舞踊

京都の花街・宮川町の芸舞妓たちが、鮮やかな舞踊でオープニングを飾りました。

拍子木がカン、カンと2回鳴り響くと、色とりどりの着物をまとった7人の舞妓が、扇子と鈴を手にしずしずとステージへ。白を基調とした会場が、一気に華やかさと京都らしさに包まれました。

三味線と地唄、そして鈴の音色が響き渡る中、舞妓がくるりと一回転すると、だらりの帯がふわりと広がり、鈴が優雅に音を添えます。

宮川町芸舞妓による舞踊

曲が終わるたびに会場からは大きな拍手が沸き起こり、多くの来場者がその美しい姿をカメラに収めていました。

フィナーレでは、芸妓16人と舞妓7人が揃って舞台に登場。息の合った美しい動きとともに、まるでマスゲームのような迫力ある移動が繰り広げられ、静かな座敷踊りのイメージを覆すような、ダイナミックで見ごたえのあるステージ。足踏みの音が響き、舞台全体をつかって優雅に展開される踊りは圧巻でした。

主催者挨拶

オープニングを彩った舞踊の後は、西脇京都府知事、松井京都市長、堀場京都商工会議所会頭による挨拶が続きました。

西脇知事

西脇知事は、「大阪関西万博は、オール京都で取り組みを進めている。今日のトークセッションでは、伝統と革新の京都ならではの問いを発信したい。パフォーマンスも盛りだくさんなので楽しんでもらいたい。万博を契機に、地域や文化の魅力を国内外に発信していきたい」と、意気込みを語りました。

松井市長

松井市長は、「万博会場は大変な盛況で、予約なしで1時間半待ちの列ができているパビリオンがあるなど、今後ますますの賑わいが期待される。オープニングを飾った宮川町の踊りには心が和んだ。本日のイベントをきっかけに、ぜひ京都にも足を運んでいただき、文化やテックツアーなど、京都の多様な魅力を楽しんでもらいたい」と力強く述べました。

堀場会頭

堀場会頭からは、「京都の経済界を代表して挨拶を申し上げる。京都は1200年の歴史の中で、様々な挑戦を重ねてきた。日本で初めて博覧会『京都博覧会』を開催したことも、そうした挑戦の一つ。万博を契機に皆さんに京都ブランドの素晴らしい価値に触れていただくとともに、新たな創造が生まれることを期待している」と展望を述べました。

京都両洋高等学校吹奏楽部による演奏

続いては、第37回全日本マーチングコンテストで金賞を受賞した京都両洋高等学校吹奏楽部によるステージ。131名による演奏とダンスで、会場の空気を一変させ、大いに盛り上げてくれました。

演奏が始まる直前、客席の間の階段通路に楽器を持った生徒がスタンバイ。白ジャケットに黒パンツ、そして風呂敷をアレンジしたというスカーフを巻いて登場。ビシッとした構えに、会場内にはこれから始まるステージへの期待感が高まります。

オープニングは2・3年生による、のびやかな旋律が印象的なファンファーレ。演奏とともに旗が美しくはためき、華やかにEXPO KYOTO MEETINGの幕が開きました。

京都両洋高等学校吹奏楽部による演奏

「笑顔は心のビタミン!」というスローガンのもとに繰り広げられた、若さと情熱あふれる演奏。堂々としたパフォーマンスに観客も圧倒されました。ソリストも見事な演奏を披露し、会場からは何度も拍手が湧き起こります。

演奏の素晴らしさはさることながら、演奏に合わせて披露されたダンスにも目を奪われました。万博カラーの赤と青のTシャツ、フラメンコの衣装や着物など、曲ごとにさまざまなスタイルが登場し、視覚的にもとっても楽しい!

京都両洋高等学校吹奏楽部による演奏

京都両洋高等学校吹奏楽部による演奏

カラフルな衣装、多様なジャンルの楽曲、そしてマーチングバンドならではのフォーメーション。まさに「音楽の万国博覧会」と呼ぶにふさわしいステージ。入部してまだ2週間の1年生も参加していたとは思えないほど、息の合ったパフォーマンスで会場を沸かせました。

最後の曲では会場から手拍子が自然と生まれ、会場全体がひとつに。フィナーレには「おこしやす京都」のプレートが掲げられ、盛大な歓声と拍手が響き渡りました。

京都両洋高等学校吹奏楽部による演奏

演奏を終えた後、部長の伊藤さん・林さんと、音楽監督の藤重先生にお話を伺いました。

藤重先生「生徒たちにとって、万博を一緒に作り上げる側になれたのは良い経験となったと思います。直前の曲の変更や衣装の準備などのハプニングもありましたが、生徒たちの日々の練習の積み重ねがあったからこそ何とか乗り越えることができ、良いステージとなりました」

伊藤さん、林さん「他の本番もある中で大変だったけれど、朝などに時間を見つけて練習を重ねました。ステージのダンスが映えるように、楽器はステージの前に並ぶようにするなど、みんなでステージの配置を考えました。日本だけでなく国内外のさまざまな曲を取り入れたのも工夫のひとつです。緊張したけれど、会場からの手拍子があたたかかったので、楽しく演奏できました」

林美緒さん(左)、伊藤直実さん(右) 林美緒さん(左)、伊藤直実さん(右)

第2部「いのちとこころ」

京都学生祭典 京炎 そでふれ!

第2部を力強く盛り上げてくれたのは京都学生祭典オリジナルの創作おどり「京炎 そでふれ!」。

「そでふれ」の名前の由来は、「袖振り合うも他生の縁」「friend」、そして涙を象徴する「そで」をおどりで「振り払う」こと。おどりを通じた人々の交流を願ったステージは、まさに「いのちとこころ」をテーマの第2部にぴったり。

ステージいっぱいに広がる迫力ある動きで、未来を担う学生たちの燃えるようなエネルギーと想いを、世界各国から訪れた人々に届けました。

京都学生祭典 京炎 そでふれ!

京テキ・スタイル ショー

京テキ・スタイル ショー

東ティモールの国民的歌手であり、環境活動家であるエゴ・レモス氏による、温かく柔らかな歌声で幕を開けた「京テキ・スタイルショー」。彼のギター演奏とともに、地球環境の危機的状況や「KYOTO地球環境の殿堂」の取り組みが映像で紹介され、会場は静かに聴き入っていました。

京テキ・スタイル ショー

その後、京都議定書を採択時に鳴らされた木槌の音が鳴り響くと、ショーがスタート。風呂敷をテーマに、「運ぶ」「贈る」「守る」の3つの視点から、買い物バッグや贈答用ラッピング、雨よけや車椅子での利用法など、実演を交えて多様な活用方法が紹介されました。

会場からは「便利!」「こんな使い方もあるんだ」と驚きの声が上がる中、フィナーレでは風呂敷をつなげて旗のように掲げる演出も。環境へのやさしさに加え、おしゃれで実用的なアイテムとして、京都の智慧が詰まった風呂敷文化の魅力が、多くの来場者の心に響きました。

第3部「これからの共創と共生」

KIMONO UPCYCLE RUNWAY

KIMONO UPCYCLE RUNWAY

第3部に登場したのは、着物のアップサイクルをテーマにしたファッションショー。和柄のドレス、デニムに合わせたカジュアルスタイル、ガーリーな装いから近未来的なデザイン、さらにはピエロ風まで。一瞬「これは本当に着物?」と目を疑うような斬新で多様な装い。素材や柄、形といった様々な切り口から、従来の着物のイメージに縛られない自由な発想が光りました。

日本の伝統と職人の技が詰まったものでありながら、着る人が減り、手放す人も増えている着物。それが、創造の力でこんなにも多彩に生まれ変わる。着物の新たな可能性を垣間見ることのできるステージとなりました。

京のかがやき in EXPO KYOTO MEETING

民俗芸能に光や音などの現代的演出を掛け合わせて新たな魅力を発信するエンターテイメントショー「京のかがやき」が、万博会場に登場!宮津おどり、福知山踊り、和知太鼓の3つの伝統芸能が「夢物語」というテーマのもとに披露されました。

【宮津おどり】

トップバッターは宮津おどり。宮津おどりは、宮津に伝わる「宮津節」「宮津盆おどり松坂」「あいやえおどり」という3つの踊りが組み合わさった、宮津の盆踊りには欠かせない踊りです。

【宮津おどり】

宮津おどりの「夢物語」は、福祉の現場で活躍したいという夢を抱いた女性が、周囲から「そんなの無理」と言われながらも、宮津おどりの仲間との出会いをきっかけに元気を取り戻し、自分も踊りの力で人々に元気を届けたいと願いを持つようになった、というストーリー。

舞台では、さわやかな着物に身を包んだ9人の女性たちが太鼓・三味線・鉦の音にあわせて軽やかに踊ります。「あいやえおどり」は、北前船で疲れた旅人に元気になってもらうために踊ったのがはじまり。生きる力が湧いてくるような明るい踊りに、観客からも自然と笑みがこぼれました。

【福知山踊り】

続いて登場したのは福知山踊り。明智光秀に由来する400年の歴史を持つ郷土芸能で、福知山市の盆踊りとして親しまれています。

福知山踊りの「夢物語」は、空手に打ち込み、福知山の「ドッコイセまつり」で父のように尺八を演奏したいと願う少女の物語。

【福知山踊り】

空手着姿で登場した少女がキレのある動きで会場の注目を集めたあと、紫の着物を身に纏い、笠をかぶった踊り手たちが登場。ゆったりとした動きながら、思わずからだでリズムを取りたくなるような優雅な踊りが会場を魅了しました。

最後は空手の少女が再び登場し、見事な尺八の音色を披露。「私にはできた!」という言葉に、会場からはあたたかな拍手が送られました。

【福知山踊り】

【和知太鼓】

ラストを締めくくるのは和知太鼓。和知太鼓は、千年前に源頼光が大江山の鬼退治に出陣する際、村人が太鼓を打ち鳴らして送り出したのが起源とされています。

和知太鼓の「夢物語」は、太鼓を通じて出会い、太鼓の力で人々の夢の扉を開く手伝いをしたいと願う夫婦のお話。

【和知太鼓】

歌声から始まった演奏は、「どっこいしょー!」という掛け声とともに一気に熱を帯び、紫の法被と鉢巻を身に着けた演者たちがダイナミックな動きとともに息の合った太鼓を披露。

身体の芯を揺さぶられるような重低音と熱量のこもった勇壮な演奏に、観客も思わず息をのんで聞き入りました。

【フィナーレ】

【フィナーレ】

フィナーレでは宮津おどり、福知山踊り、和知太鼓の出演者全員がステージに登場。「人の夢を後押しする力が民俗芸能にはある」という力強い言葉とともに、「私たちには夢がある! あなたの夢もきっと叶う!」と会場に向けてメッセージが伝えられました。

実は、今回語られた3つの物語はどれも本当のお話。民俗芸能の力が夢を支え、人生を動かす力になることが伝わるステージに、会場は大きな拍手と歓声で包まれました。

ステージ終了後、演者の皆さんから一言ずつコメントをいただきました!

宮津おどり/神田由里子さん

「宮津おどりは花街から生まれた舞台育ちの踊りなので、華やかさが特徴です。踊り手が着ていた着物は1970年の万博で踊った時に着用した丹後ちりめん。50年間大切に受け継いでいます。広いステージに驚いたけれど、大成功でした」

福知山踊り/植村竹子さん

「福知山踊りは手足の動きが16手振りもあり、全国でも難しいとされる踊りですが、早いテンポの中でも優雅さがあるのが魅力です。これを機に若い人たちに興味を持ってもらえたら嬉しいです」

和知太鼓/三嶋國治さん

「和知太鼓は太鼓間を移動したり、二人で一つの太鼓を打ったりするのが特徴。それを見てもらえるような演出にしました。舞台で爆発させるような演奏ができたと思います。お客さんに『いいな』と思ってもらえたら何よりです」

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