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イベントレポート

イベントレポート一覧です。

2025.10.28 万博会場

KYOTO FOOD EXPO 「お茶」イベントを開催しました!(10/1~2)

10月1日(水)~6日(月)の6日間にわたり、万博会場内 関西パビリオン多目的エリアで、期間限定イベント「KYOTO FOOD EXPO」を開催しました。このうち、10月1日(水)~2日(木)の2日間は京都の「お茶」をテーマに、府内産のお茶の試飲などの体験をはじめ、物販、ご当地キャラクターグリーティング、ミニステージライブなど、多彩なプログラムを展開。会場は多くの来場者で賑わいました。
今回は、そんな「お茶」をテーマにした2日間のイベントの様子をレポートします。

プログラム

10月1日(水)体験ブース

五感で味わう利き茶の世界「茶香服体験」

イベント初日の10月1日、関西パビリオン多目的エリアの最奥にある体験ブースは一面に毛氈(もうせん)が敷かれ、みやびな雰囲気に包まれました。

そんな中で、最初に行われたのは「茶香服(ちゃかぶき)体験」です。茶香服というのは、お茶の見た目や味、香り、水色からお茶の種類や産地を当てる「利き茶ゲーム」。今回は、玉露、煎茶、柳番茶の3種類のお茶を3回飲み比べる3種3煎で行います。

茶香服では、飲み比べを始める前に、まずは乾燥した茶葉の色や形、香りを確認します。参加者はやや緊張した面持ちで、拝見盆の中の茶葉の香りを何度も確かめていました。

茶葉の確認のあと、参加者は1煎ごとに出されるお茶を飲み、正解だと思うものをチェックシートに記入します。参加者は「これだ」と頷いたり、時折首をかしげながら、それぞれ異なる3種類のお茶を味わいました。

3煎目が終わり結果発表です。結果が読み上げられると、これまでの緊張した空気がほどけます。全問正解した参加者には賞品として「和束茶」が進呈されました。

自分だけの一杯を「綾部産抹茶点て方体験」

「綾部産抹茶点て方体験」では、まず、抹茶がどのように製造されるのかをビデオとともに紹介されました。玉露や碾茶(てんちゃ)は茶葉が持つうまみを引き出すために、日光を遮って育てる被覆栽培が取り入れられています。

玉露は収穫後に蒸して揉みながら乾燥させます。一方、碾茶(てんちゃ)は収穫後に蒸してから揉まずに乾燥させます。この碾茶(てんちゃ)を挽くと抹茶になります。

参加者の手元には、玉露と碾茶(てんちゃ)の茶葉が配られ、葉の形を見比べながら、抹茶になる過程に耳を傾けていました。

次は実際に抹茶を点てていきます。抹茶のダマをつぶすように練ってからお湯を注ぎ、細かい泡が立つように丁寧に茶筅を動かします。

お茶を点てる

お茶を飲む

お菓子は由良川を飛ぶ千鳥をイメージして作られた「由良ちどり」が振る舞われました。
自分で点てた自分だけの抹茶に、参加者は「美味しい」と顔をほころばせました。

10月1日(水)物販ブース

和束町

京都府内で最大の宇治茶の生産地である和束町は、府内産茶葉の約半分を生産しています。特産品である「和束茶」を中心に、さまざまな商品が並びました。

中でも注目を集めていたのが、ポテトチップスと和束茶を組み合わせたユニークな商品「ポテ茶」です。また、町のマスコットキャラクター「茶茶ちゃん」のグッズなど、和束町ならではの品々が並び、来場者の関心を集めていました。

和束町は町の中央に和束川が流れ、周囲を山々に囲まれた谷あいの地形のため、昼夜の寒暖差が大きく、霧が発生しやすい環境です。こうした自然条件が、美味しい「和束茶」を育む秘訣となっています。

毎年の気候によって風味が微妙に変化するという繊細さも魅力のひとつ。ブースの担当者は、「今年のお茶は今年だけしか味わえません。美味しいと感じていただけたら、ぜひ手に取っていただきたい」と語りました。

綾部市/綾部市茶生産組合連合会

京都府のお茶の生産地といえば、主に京都府南部の山城地域が知られていますが、京都府北部でも上質で美味しいお茶が生産されています。その産地の一つが綾部市です。

綾部市を流れる由良川から発生する地域特有の霧。この独特の気候条件が高品質な玉露を育む要因となっています。

ブースでは、綾部産の玉露と抹茶や「綾部産抹茶点て方体験」でも振る舞われた干菓子「由良ちどり」など、地元の魅力が詰まった商品が並びました。

玉露を試飲した来場者からは、「さっぱりと飲みやすく美味しい」といった声が寄せられ、魅力を実感している様子がうかがえました。

南山城村

京都府の最南端に位置し、府内で唯一の「村」である南山城村。こちらのブースでは、「むら茶」を使用したペットボトルのお茶や焼きモンブランといった、思わず会場内で休憩のお供にしたくなるような商品が並び、来場者の目を引いていました。

「むら茶」は南山城村の地域ブランドで、村の魅力を広く発信するために名付けられました。「むら茶」は各農家が丁寧に仕上げたシングルオリジンのお茶。農家ごとで独自の香りと味わいを持っているのが特徴です。

道の駅「お茶の京都 みなみやましろ村」販売部の仲西部長は、「農家ごとのお茶の違いを楽しんでもらいたい」と意気込んでいました。

10月2日(木)体験ブース

石臼で実感する抹茶の深み「茶臼挽き体験」

「お茶」イベント2日目となる10月2日(木)の体験イベントは「茶臼挽き体験」から始まります。

参加者は石臼を使って抹茶を挽き、臼の重さや挽き方の違いによって仕上がりが変わることに驚きながら、お茶の奥深さに触れていました。

体験で使われていた碾茶(てんちゃ)は、宇治茶の中でも特に高品質な葉が用いられており、その価値や希少性も紹介。

出展者である「お茶と宇治のまち交流館 茶づな」主任学芸員の中畑さんは、「自分でお茶を挽くという体験は、抹茶の本質に触れる第一歩です。楽しみながら、お茶をもっと好きになってもらえたら嬉しい」と語りました。

味や香りの変化を楽しむ「宇治茶試飲体験」

計3回開催された「宇治茶試飲体験」の1回目では、宇治茶伝道師・村田範子さんのレクチャーのもと、玉露を淹れる体験を実施しました。

参加者は村田さんの指示に合わせ、温度と時間を調整しながら丁寧にお茶を淹れ、徐々に変化する「宇治玉露」の独特の香りとうまみを楽しみました。

上質な玉露は、お茶を淹れた後の茶葉も美味しく食べることができます。初めて茶葉を食べたという参加者は、「茶葉が食べられるということに驚いた。野菜みたいで食べやすい。家族でまた食べてみたい」と驚きを口にしました。

10月2日(木)物販ブース

京都府茶業会議所

宇治茶の生産者団体と流通業者で構成される京都府茶業会議所のブースでは、宇治茶の歴史や茶産地としての観光情報など、多角的な情報発信を行いました。

また、宇治抹茶や宇治玉露の販売も実施され、訪れた来場者はスタッフからお茶の特徴や淹れ方について説明を受けながら、関心深そうに商品を手に取っていました。

京都府茶業会議所の戸塚事務局長は「歴史と技術に裏打ちされた宇治茶の魅力を、より多くの方に感じてほしい」と語りました。

城陽市/城陽市茶生産組合

城陽市は、京都府内でも有数の碾茶(てんちゃ)・抹茶の生産地として知られています。城陽市で生産される抹茶は、蛍光色のような鮮やかな緑色と、苦味の少ないまろやかな味わいが特徴で、これは、豊かな土壌と気候が生み出す独特の風味によるものです。

ブースで販売を担当した城陽市茶生産組合の太田組合長は、「通常1缶1万円以上で販売している抹茶を、今回は特別価格の4,320円でご提供しています」と語り、来場者の注目を集めました。

屋外エリア

伝統と現代の技術が融合したおもてなし、「黄金の茶室」でのお茶席体験

関西パビリオンの屋外エリアでひときわ注目を集めていたのが、久御山町が出展した「黄金の茶室」です。
普段は久御山町役場で展示されているものを、今回万博会場へ移動させました。

久御山町は製造業が盛んで、町内には高い技術力を誇る企業が多く集まっています。久御山町内の10社の技術を結集し、町の魅力である「ものづくり」と「お茶」の両面を発信する取り組みとして、平成29年(2017年)にこの茶室が制作されました。

茶室の壁面は一見すると本物の黄金のように見えますが、実際には印刷技術によって再現されたものです。金色をあえて墨がかった色味で表現することで、独特の風合いが生まれています。空間全体だけでなく、内部の茶道具や装飾の一つひとつに至るまで、久御山町の企業の技術が用いられています。

「黄金の茶室」では、自由観覧のほかお茶席体験も開催されました。久御山町は宇治茶の中でも高品質な碾茶(てんちゃ)の産地として知られており、その碾茶(てんちゃ)から挽いた抹茶が、茶席で振る舞われました。

万博会場の賑わいの中で、静かで心落ち着くひとときを楽しめる、まさに特別な空間となっていました。

ご当地キャラクターグリーティング&ミニステージライブが同時開催

「黄金の茶室」の展示だけでなく、屋外エリアではご当地キャラクターたちが登場し、来場者との記念撮影やふれあいを通じて会場を盛り上げました。

10月1日 茶茶ちゃん(和束町) 10月1日 茶茶ちゃん(和束町)

10月1日 まゆピー(綾部市) 10月1日 まゆピー(綾部市)

10月2日 じょうりんちゃん(城陽市) 10月2日 じょうりんちゃん(城陽市)

さらに、ミニステージでは京都府内のアーティストによるライブパフォーマンスが行われ、心地よい音楽が会場に彩りを添えました。

10月1日 アカペラライブ パフェ山脈 by Crazy Clef 10月1日 アカペラライブ パフェ山脈 by Crazy Clef

10月2日 向日市激辛音楽団 10月2日 向日市激辛音楽団

京都の「お茶」の魅力を来場者のみなさまに存分に体感いただいた2日間。歴史ある宇治茶をはじめ、京都各地で大切に育てられた個性豊かなお茶が一堂に会し、試飲や体験、物販を通じて多くの来場者にその味わいや奥深さをお届けすることができました。

茶香服や茶臼挽きなど、普段なかなかできない体験に来場者の笑顔があふれ、黄金の茶室では非日常の空間の中で特別なお茶の時間が演出されるなど、五感で楽しめる内容が盛りだくさんでした。お茶を通して京都の風土や文化、そして生産者のこだわりと想いに触れる、貴重な機会となったのではないでしょうか。

今回、出展した市町村の他にも、京都にはお茶の名産地が数多くあります。ぜひ京都府内各地を巡り、それぞれの地域で育まれたお茶の魅力を体感してみてください。

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