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イベントレポート

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2025.07.26 京都府内のイベント・観光・体験

日本最大規模のスタートアップカンファレンス「IVS2025」が京都で開催されました!

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7月2日(水)~4日(金)の3日間にわたり、京都市内の京都市勧業館「みやこめっせ」、ロームシアター京都をメイン会場として、スタートアップカンファレンス「IVS2025」が開催されました。京都での開催は3年連続。来場者数は約1万3千人にのぼり、街中などで開催されたサイドイベントは過去最多の500件超!メイン会場のみやこめっせでは180ものセッションをはじめ多様なブースや交流スペースが用意され、お祭りのような賑わいに。今回は、そんなIVSの初日の様子をレポートします!IVS代表・島川さんへのインタビューもぜひご覧ください。

IVSとは?

2007年に始まった、国内外のスタートアップ、投資家、大企業、クリエイターなどが一堂に会する日本最大規模のスタートアップカンファレンス。IVSをきっかけにイグジット(上場やM&Aなど)を達成したスタートアップ企業も多く、"実利を生む場"として圧倒的な成果を出し続けています。

2025年のテーマは「Reshape Japan with Global Minds」。ピッチコンテストやセッション、サイドイベントなどの様々な企画を通じて世界の潮流を取り入れながら、日本の次なる姿を共創していきます。

ウェルカムセッション-IVS代表×知事×市長

左から、IVS代表島川さん、西脇京都府知事、松井京都市長 左から、IVS代表島川さん、西脇京都府知事、松井京都市長

初日の7月2日、ロームシアターのメインホールではオープニングセッションが開催されました。

最初に登壇したのはIVS代表の島川敏明氏。今年のテーマ「Reshape Japan with Global Minds」について、「世界が大きく変化する中で、今、日本はどうしていくべきか。また2022年に国が掲げた『スタートアップ育成5か年計画』が後半戦に入ってきた中で、成果をどう出していくべきか。そして日本が持つ豊富な経営資源をいかにグローバルビジネスへと昇華していくか。そういったことをディスカッションしていきたい」と想いを語りました。

続いて、西脇隆俊京都府知事と松井孝治京都市長が登壇。
西脇知事は、「京都の強みは、長い間蓄積されてきた文化と技術を活かして、伝統を守りながら革新を続けてきたこと。IVSに参加される皆さんには、日本の強みを見直して、世界に求められる製品やサービスを生み出していってもらいたい」と期待を込めました。

オープニングセッション

松井市長は、「3年連続して京都で開催していただき大変ありがたい。京都では、国内外からアーティストを招き、京都に滞在しながら創作活動を行う『アーティスト・イン・レジデンス』の取り組みが積極的に行われている。これからはアーティストだけでなく、起業家やエンジニア、作家など、世界中から様々な才能が集まり、次の若い世代につないでいけるような街にしていきたい」と今後の展望を語りました。

伝統と革新のまち・京都とスタートアップが出会うことで、どんな化学反応が生まれるのか。その可能性に期待が高まるウェルカムセッションとなりました。

京都発!世界を変える:Notionと語る「匠の精神とAIの融合」

NotionのCEO・Ivan Zhao氏と西脇知事・松井市長によるトークセッション1

ウェルカムセッションに続いて行われたのは、NotionのCEO・Ivan Zhao氏と西脇知事・松井市長によるトークセッションです。

いまや世界で1億人以上が活用している多機能クラウドツール「Notion」。あらゆる機能を集約したオールインワンの柔軟なワークスペースは、トヨタやOpen AIなどの名だたる企業でも導入されています。

Notionはサンフランシスコで生まれた会社ですが、実は「京都で生まれ変わった」のだそう。最先端のAI技術を駆使したプロダクトに影響を与えたのは、なんと京都の職人たちでした。

Ivan氏が登壇すると、西脇知事が「おかえりなさい!」と声をかけ、会場は和やかな雰囲気に包まれます。

NotionのCEO・Ivan Zhao氏と西脇知事・松井市長によるトークセッション2

Notionについての紹介の後、Ivan氏からNotion再生のきっかけが語られました。

遡ること、2016年。当時Notionはまだ小さな会社で、社員はわずか5人。収益もほとんどなく、非常に厳しい状況でした。Ivan氏は会社を立て直すため、苦渋の判断ではありましたが3人の社員を解雇。2人で再起を決意し、心機一転、サンフランシスコから日本へと拠点を移します。

初めての日本。京都の最初の印象は「なんて暑い街なんだ」だったそう。

日夜コーディングに明け暮れる日々の中で、京都の街で出会った陶芸やそば職人、器など、匠の技に感銘を受けたといいます。職人の「細部までこだわり、使う人のことを考える」という思想は、やがてNotionの掲げるミッション「人生のシゴトに、美しい道具を。」へとつながっていきました。

「AIの早いスピードのなかで、私たちは何をやっている人なのかと考えることがあるが、私たちはソフトウェアを通じて人々が喜びを感じることを目指しており、ソフトウェアにおける匠だと思っている」と話すIvan氏からは、妥協を許さないものづくりへの真摯な姿勢が伝わってきました。

NotionのCEO・Ivan Zhao氏と西脇知事・松井市長によるトークセッション3

Ivan氏の話を受け、西脇知事は「京都は100年以上続く老舗企業の割合が一番高い。そこには、『まず社会の役に立ち、利益は後から』という先義後利の考え方が根付いている」と京都に息づく精神について説明。

松井市長は「京都は決して閉鎖的ではなく、都としてあらゆる人との交流があり、その中で文化が育まれてきた。これからも海を越えて交流を深め、伝統の上に新たな価値をつくっていきたい」と語りました。

最後にIvan氏から、「苦しい時を乗り越えたきっかけが京都であり、そのおかげでここまでくることができた。今回このような場に登壇できたことも嬉しいし、これからも支援したい」と温かい言葉をいただきました。

最先端のAIと京都に息づく匠の精神が融合し、京都発のイノベーションが世界を変えていく。Notionのストーリーは、日本のスタートアップが世界に挑むヒントを教えてくれました。

ユニークな発想が光る、日本最大級の学生ピッチコンテスト

学生ピッチコンテスト1

この日は、学生起業家によるピッチコンテストも開催。ピッチコンテストとは、限られた時間内で独自のビジネスアイディアや技術の魅力を審査員にアピールするもの。アイディアの新規性はもちろん、実現可能性や市場成長性、プレゼン力など、様々な視点で評価されます。

今回は、日本最大級の学生ビジネスコンテスト「学生ピッチ甲子園」の全国大会という位置づけ。全国5エリアの予選大会を勝ち抜いたファイナリスト6名が登壇し、日本一の学生起業家の座をかけて挑みました。会場は満員!学生企業への注目度の高さが伺えます。

学生ピッチコンテスト2

本選に先立ち、先輩起業家による特別企画トークショー「最年少上場×最年少ユニコーン社長が語る『学生起業のリアル』」が開催されました。25歳で最年少上場を果たした株式会社リブセンス代表取締役 村上太一氏と、27歳で時価総額1000億円超えで上場を成し遂げた最年少ユニコーン社長の株式会社タイミー 代表取締役 小川嶺氏が登壇し、学生での起業や上場までの道のりのリアルが語られました。

そして迎えたピッチコンテスト!審査員には、小川氏・村上氏に加え、タレントで起業家の田村淳氏など、芸能・スタートアップ・教育・Z世代マーケティングといった多様な分野で活躍する5人が名を連ねます。

5分間の制限時間のなかで、自社製品の魅力やビジョンをしっかりアピール。うつ病予防のために脳波をAI解析するプロダクトや、介護の事務負担を軽減するAIツール、伝統工芸のだるまをアートトイとして世界展開するビジネスなど、社会課題を深く掘り下げたユニークなアイディアが披露されました。

2分間の質疑応答では、審査員からの鋭い質問にも堂々と回答。登壇者の熱意と練り上げられた内容に、会場からは何度も拍手が沸き起こりました。

あまりのレベルの高さに審査は難航。審議の末に見事グランプリに輝いたのは――九州大学の西村齊明さん!ミツバチの触角を用いて匂いを探知する技術を開発中で、地雷除去に活かす製品づくりを目指しています。その技術の独自性と地雷問題を解決したいという強い想いが高く評価されました。

学生ピッチコンテスト3 優勝賞金として1000万円を贈呈!

学生起業家たちの登竜門ともいえる「学生ピッチ甲子園」。社会課題に真正面から向き合い、行動に移す若者たちの姿に、社会の未来が少し楽しみになるような、そんな時間となりました。

メイン会場の様子

メイン会場のみやこめっせには初日から続々と参加者が訪れ、多彩なブースとステージはどこも大盛り上がり!その様子を写真と共にお届けします。

メイン会場の様子1 AIやエンターテイメントなどテーマごとに多様なセッションが開催。その数なんと3日間で180セッション!

メイン会場の様子2 セッション会場は各所に設置され、それぞれデザインも異なります。

メイン会場の様子3 どのセッションも面白そうなテーマですが、同じ時間帯にいくつも開催されるため、どれを見るか悩ましい!オープンスペースの一角で開催されているため、ふらりと立ち寄ることもできます。

メイン会場の様子4 今年初開催となるStartup Market。新進気鋭のスタートアップ企業が日替わりで100社出展し、来場者に自社製品をアピールしました。

メイン会場の様子5 IVSは単なるビジネスカンファレンスではなく、繋がりを生み出す場。自己紹介カードと名刺を掲示することができるコミュニケーションボードが設置されていました。

メイン会場の様子6 参加者が自由にお題を掲げて会話ができるスペースも。「AI・宇宙・医療」といった大きなテーマから、「webマーケ支援」などの具体的なもの、さらには「フィリピンが好きな人話そうぜ」なんてテーマも!自由に集い、にぎやかに会話が飛び交います。

メイン会場の様子7 京都コーナーも設置され、京都の企業も最先端の取り組みを紹介しました。

IVSは資金調達などの具体的な話はもちろん、起業家仲間をつくれる貴重な場でもあります。会場には自然と交流がうまれる仕掛けが随所に設けられ、「起業に興味がある」という人でも無理なく輪に入れる、フラットでオープンな雰囲気でした。

「圧倒的な実利」を生み出すビジネスカンファレンス・IVS。万博イヤーの今年も、国内外から1万人を超える起業家や投資家などのビジネス関係者が京都へ集結し、3日間にわたるプログラムが無事終了。公式システムを通じたマッチング成立数はなんと3900件!日本のスタートアップが一段と加速していく、熱量と刺激たっぷりの3日間となりました。

概要

名称
IVS2025
日程
メインイベント: 2025年7月2日(水)〜4日(金)
IVS Youth: 2025年7月5日(土)
場所
京都市勧業館「みやこめっせ」、ロームシアター京都 他
主催
IVS KYOTO実行委員会 (Headline Japan / 京都府 / 京都市)
公式サイト
https://www.ivs.events/
公式SNS
https://x.com/IVS_Official

(IVS Youth)

日程
2025年7月5日(土)12:30-17:00(開場 12:00)
会場
QUESTION(クエスチョン)(京都市中京区河原町通御池下る下丸屋町390-2)
対象
小学生〜高校生 / 保護者 / 教育関係者 / 支援機関 他
参加費
無料
公式サイト
https://www.ivs.events/ja/youth
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